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オーラルフレイルとは

2022年4月2日 (土)

加齢による身体機能の衰えのことを「フレイル」と言います。

これは「未病(みびょう)」という「病気には至っていないが健康ではない状態」のことで、

「未病の状態を健康な状態に如何に近づけるか」が健康的な生活を送っていくために大変重要となります。

フレイルの一つとなりますが、口腔機能の衰えによる「食べこぼし、むせる、堅いものが噛めなくなる、口の中が乾く」等の症状のことを「オーラルフレイル」と言います。

 

「オーラルフレイル」により噛めなくなることで、柔らかい炭水化物から殆どのカロリーを取得することになり、

たんぱく質や脂質、ビタミンやミネラルといった栄養素が不足してしまいます。栄養が不足すると免疫機能が低下し、

様々な病気にかかりやすくなるため、新型コロナウイルスにも感染しやすく、重症化率も高くなるでしょう。
(新型コロナウイルスの重症患者を調べた論文でも、栄養失調の患者が非常に多いと言われています)

 

また体力が衰えることで社会生活への参加機会が減少し、「話す」といったコミュニケーション能力の低下

にも繋がります。これにより意欲が低下し、うつ傾向や認知機能低下の要因となります。

 

《オーラルフレイルによる悪循環フロー》

1.栄養が偏る

2.筋力や体力が落ちる

3.運動不足になり代謝が落ちる

4.食欲や意欲が低下する

5.さらに栄養が不足する、社会参加機会が減る

 

上記フローでご説明したように悪循環が生じることで未病から発病へと至ります。

逆に言えば「早期にオーラルフレイルを認識し、適切な対応を行うことで健康になれる」

ということですので、「最近食べ物が噛み難い、度々むせるようになった」等をお感じであれば、

お早目にかかりつけ歯科医院へご相談ください。

これはご高齢の方に限ったことではなく、中年の方でも見られる症状です。

「フレイル」は病気ではないため看過されやすいですが、「早期認識、早期対応」の習慣を
お若いうちから実践することで健康的な生活を長く続けれらることになるでしょう。

 

 

政府の取り組みである「健康日本21」にも「歯の健康」という項目があり、そこには

 

“歯の喪失は食生活や社会生活等に支障を来たし、ひいては全身の健康に影響を与える。
また、歯及び口腔の健康を保つことは、単に食物を咀嚼するだけでなく、
食事や会話を楽しむなど豊かな人生を送るための基礎となるものである”

 

との記載があります。

その一環として、80歳になっても自分の歯を20本以上保ち、健やかで楽しい生活を過ごそうという
「8020(ハチマル・ニイマル)運動」が提唱されています。

その実現に向け、生涯を通じた歯及び口腔の健康維持のためにも、かかりつけ歯科医院を持ち、

定期的な口腔ケアを行いましょう。

 

※参考:オーラルフレイル対策
神奈川県「健康医療局 保健医療部健康増進課」ホームページより

カテゴリー : 口腔ケア